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​ぼくの好きな2階。

ちょっと見つけにくいけど、行けばきっと好きになる。

そんな2階にあるお店を、今日は3つ。

それぞれの店主さんが綴った手書きの想いと一緒に、

​あなたにだけ、こっそり紹介します。

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モノコト

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リアルスタンダード

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Sipka

ブルーの階段

​モノコト

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大須観音のそばにあるビルの 2 階。そこは「おもしろい」の巣窟だった。

オーナーの森田さんに話を聞いてきました。

耳かきとランプと​、あの頃の自由

─ 骨董品や作家モノ、イベントなどいろんな「モノ」と「コト」が交わるお店ですが、始めたきっかけは何だったんでしょうか?

 

森田「中学生くらいから大須の商店街に遊びに来てたんです。その時はまだ寂れた商店街で、 シャッターが閉まってる所も多かったんですけど、そういう頃の商店街の方が僕はおもしろかったんですよ。変なお店がたくさんあって、家賃が安いからでしょうね。」

 

─ どんなところがおもしろかったんですか?

 

森田「骨董屋で、ステンドグラス風のランプに『ガレ作』と半紙で貼ってあって、それが本物なら一千万円以上するもののはずで。でもそれを冗談としてやってるのがおもしろくて。『徳川家康の耳かき』なんて言って売ってるものもあったり。」

 

─ 遊び心が許されるおもしろさがあったんですね。

 

森田「そういうことをやってた人たちがこの街に寄り集まってた。人間がおもしろいんです。でも僕がお店を開いた頃は、だんだんおもしろくなくなってきた感覚があって。 だから、おもしろいと思えるお店をやりたかったんです。そう思わせたり、そう思えるモノやコトを、おもしろいと伝えるお店をしたいと思って始めました。」

​感じる力が、導く場所

─ どんなものや、どんな場所を求めている人に、このお店を知ってもらいたいですか?

森田「何かを求めている人や何かを探してる人がいいです。そういう人の方が自分で何かを見つけます。感じる力がある人、そういう人にたくさん来てほしい。」

─ このお店に来ると、なにかしら新しい発見があって世界が広がりますよね。

森田「なにかを発見してくれるのが一番。感じる力なんです。例えば、店の前で立ち止まって「なんのお店だろう?」って話しながら、スマホで検索し始める人もいるんです。そんな光景を見るたび「上がればいいのに、なんで自分の目で確かめないんだろう」って思う。誰かが書いた編集された情報じゃなくて、自分で一次情報に当たりなよって。」

─ 確かに最近はなんでもまず検索しますよね。


森田「そうしないと、みんな何か損をすると思ってるんです。なにかを間違えると。でも、思ってたのと違うってことは、別に間違いじゃない。なんで自分で感覚を働かせて行かないんだろうって思います。そっちの方がよっぽど損してる。だから、感じることができる人間に上がってきてほしいです。そういう人を増やしたいと思ってます。」

─  自分の感覚を信じて、自分の目で確かめてほしいですね。とても共感しました。貴重なお話をありとうございました!

SHOP INFO

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モノコト
大須2丁目25-4 久野ビル2階
052-204-0206
12:00~21:00
不定休

​リアルスタンダード

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商店街の 2 階にある楽器屋さん。そこにはギターの名医が。

店主の神谷さんに話を聞いてきました。

調整が生む、弾ける喜び

─ まず気になったのが、「リアルスタンダード」という店名の由来なんですが。

神谷「名前を付けた理由は、メーカーや値段にとらわれず、本当に良いもの、本当に標準となり得る物を、僕の目利きで選んで売ってますよ、ってことを分かってほしかったんです。」

 

─ リペア技術も評判ですよね。「ここで弦高やネック調整をすると楽器が息を吹き返して生まれ変わります」という声もあります。

 

神谷「僕がすごいんじゃなくて、本来の状態を知らずに使ってる人が多いので。楽器の場合ちょっとした設定の違いで、音が良かったり悪かったり、弾きやすさが全然変わるので。フォークギターを中高生の子が買いに来るんですけど、量販店で売ってるものをそのまま渡しても指が痛くて弾けないんです。ちゃんと調整して、「これが普通の状態で、これでないと上達しませんよ」って渡すと感動してくれる。やってて一番楽しい瞬間です。」
 

─ ご自身で弾きやすい調整を研究されたんですか?

 

神谷「最初は、これなら弾きやすいだろうと思ってやりすぎて、そうすると音が良くなくなるので、これはやりすぎなんだと。そういう試行錯誤はありました。今でもある。20年やってても。」

すべての人に、より良い楽器体験を

─ ずっと楽器を続けたい人にとっては、こういうお店が必要不可欠ですよね。

神谷「これが普通になってほしいんです。メーカーもそうだし、お店もそうだし。」

 

─ 楽器に詳しい方もここに持っていけば間違いないという。

 

神谷「そういう意味で信頼を得て、お客さんがついてるところもあります。大手だとポンと持っていってすぐにはやってくれないので。ライブ終わりに寄って、「ちょっと調子悪いんです、見て」って来て、はいはいって、大手楽器店ではまずない。対応力の速さとか、こまごまとした調整ができるのも強みです。あとは、あちこちで断られた人が「なんとかして」って来る。そのときは感覚で1時間ぐらい調整して、やっときた!みたいなこともある。そこは楽器ならではです。」

 

─ 読者の方に伝えたいことはありますか?

 

神谷「一番は楽器をちゃんとした状態で使ってほしい。メーカーに左右されず中身のいい物を選んで、目利きを育ててほしい。あとは、マニアックなお客さんにも対応できるし、初めてやる中高生の子にも対応できる。そういう意味では、いろんな年齢層の人に見てもらえるといいなと思います。」

 

─ 老若男女関係なく、楽器を始めたい、楽器が好きな人に来ていただけたらということですね。貴重なお話をありとうございました!

SHOP INFO

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リアルスタンダード
大須3丁目38-9 大須商店街組合会館2階
052-242-1223
平日/11:00~23:00
土日祝/10:00~23:00
年中無休

Sipka

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大通りから外れた路地の 2 階。そこはたくさんの物語にあふれた空間だった。店主のことり隊長に話を聞いてきました。

夜になっても終わらない博物館

─ いろいろな作家さんのアート作品やアクセサリーを取り扱われているお店ですが、 どのような経緯でお店を始められたんですか?

 

隊長 「子供の頃から好きなものがマイノリティーで、みんなはウルトラマンが好きなのに自分は怪獣のほうが好きとかがあって。みんなと遊んでもいたんですけど、ひとりで奇妙な形の石ころや硝子の破片とかを拾い集めて、公園の片隅で、小さな博物館みたいなのを作って遊んでたんです。けどそれは夕方になるとお母さんが迎えに来たりして片付けて終わってしまう。だから、夜になっても終わらない、子供の頃の延長線上のずっと続いていく自分博物館みたいなものができたらと思って始めました。実店舗は夜になると閉まるんですが、ネットの方は夜通し開いてるので、店舗は白い空間で昼間を、ネットは暗い色で夜をイメージして運営しています。」

 

─ 店名にはどういった意味があるんでしょうか?

 

隊長 「言葉自体はチェコ語で『矢印』という意味です。お店のコンセプトが『すべてのものには物語がある』というものなので、物語のページをめくるイメージで『シプカ』と名づけました。偶然なんですが、オープンしたのが16年前の11月で射手座でもあったんです。」
 

これでいいんだと、息抜きできる場所

─ コンセプトの「すべての物には物語がある」について教えてください。

隊長 「自分はマイナーなものやギャラリーのようなマニアックな場所が好きなんですが、普通に生活してると、そういう場所は敷居が高かったり、行きづらかったりすると思うんです。でも、ここにあるアート作品やアクセサリーも、みんなと同じ「人」が作った造形物で、そこには造った人の考えや想い、物語がある。なので変にハードルをあげず、同じ感覚でもっと気軽に作品に触れてほしいという想いがあるんです。」

 

─ どういった方に、このお店を知ってほしいですか?

 

隊長「普段、自分はちょっと人と違うなと感じたり、生きづらいかもと思っている人に、息抜きというか「こんな世界もあるんだ」「これでいいんだ」と思ってもらえる場所になれたらと思います。名古屋って文化不毛の地と言われたり、こういうとんがったお店だったら東京じゃないとダメだよって周りから言われてたんですが、だからこそ名古屋でやった方がおもしろいから、ここにこだわろうと思って。今ではSNSもあるので、都会や地方っていう垣根はもうないと思っていて。場所に縛られず、同じ感覚を持つ方が遠くからでも共鳴して来てくださるのもありがたいです。」

 

─ なにか共鳴できるものにきっと出会える場所だと思います。貴重なお話ありがとうございました!

SHOP INFO

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シプカ
大須2丁目14-3 エビスビル2階
052-231-7774
平日/14:00~20:00
土日祝/12:00~20:00
月~水曜定休

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